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さて、アメリカに住んでいると、必ず話題になるのは「駐在妻 vs 永住妻」です。主に、ネット上ですが、少し前にも、ミシガンの情報サイトが、このネタで盛り上がっていました。
ここでは、「駐在妻と永住妻」ではなく、「駐在妻と留学生」をくらべてみたいと思います。なぜかというと、同じように日本からきているのに、英語の習得に大きく差が出ているからです。
この差がなんなのか気になりますよね!?
もともとカリフォルニアで留学生だった私の実体験(もうかれこれ15年ほど前の話なので、若干今の留学生とは違いますが・・・)をもとに、いろんな角度から見ていきたいと思います!この違いが分かれば、英語上達のヒントが得られるはずです。
年齢
留学生
基本的に高校を卒業したばかりの子たちが多いです。やはり10代~20代前半が多数を占めています。なかには、日本で会社勤めをして、お金をためてからや、転職のために留学する人もいますが、少数です。
若い子は、勢いがあります。
「なんにでも思いっきりいくぞ!」
という感じの子たちが多かったと思います。
間違いを恐れたりしないので、アメリカ人の中にも飛び込んでいきやすいのではないでしょうか。
そして、女子の特権ですが、若いぶん、女の子は声をかけられやすいです。なので、話す機会も自然と増えて、教科書では学べないスラングなども、吸収していけます。
駐在妻
人生経験が多いぶん、用心しています。
「なるべく他人に迷惑をかけないように・・・」
「自分の下手な英語で申し訳ない・・・」
「話しかけたら迷惑かも・・・」
なんて考えの人も多いのではないでしょうか。
そのせいで、英語を話すことの歯止めがかかってしまい、英会話上達に必要な会話が足りていません。
勉強する時間
留学生
勉強する時間がたっぷりあり、英語に触れる機会も断然多いです。
留学の目的は大学での勉強です。なので、基本的にそれ以外やることがありません。つまり、24時間、好きなように好きなだけ勉強することができます。
駐在妻
英語の勉強にさける時間が限られています。
夫のアメリカ赴任に一緒についてくる場合は、毎日、家事や育児など家のことをしなくてはなりません。
手続きなど
留学生
わたしは、アメリカにくるための手続きは、全部自分でやりました。当時、留学する人のための塾に通っていて、カウンセラーはいましたが、基本的に大学の情報集め、申請、VISAなど手続きは、1人で行ないました。
英語が苦手だったのに、資料は全部英語で、それを読むだけで相当時間がかかりました。
他にもアパートの契約、銀行口座の開設、車の売買、車両保険の加入、運転免許証の取得、などすべて自分で調べて、自分でやります。
駐在妻
駐在員のほとんどの場合は、会社の人がいろんなことをお手伝いしてくれると思います。まして、駐在員の奥さんともなれば、旦那さんがほとんどやってくれるのではないでしょうか。
やはりこれらの差は大きいです。自分でやることによって、アメリカの事情もわかるようになりますし、日常に必要な単語も習得できます。
車の運転
留学生
私はアメリカにきて初めて運転しました。
カリフォルニアはミシガンと同じで、車がないと生活ができない地域なので、
どこへ行くにも絶対に車が必要です。
「高速がこわくて運転できないっ!」
なんて、あまいことは言えません。
運転免許を取りたてのときに、友達をのせて夜遊びに出かけて行ったら、運転したことのない道で、暗くて見えずらく、一瞬だけ反対車線を走ってしまったこともありました。
駐在妻
よく聞くのが
「高速は怖くて運転できないの~。だから週末にならないと、○○に行けない~。」
アメリカ人には言わないほうがいいですよ!びっくりされます。
日本で外国の人が
「ワタシ ツウキンデンシャ ノレナイノデ ハタラケマセンー」
って言ったら、びっくりしますよね!?
もしあなたが怖いと思っているのなら、一度運転してみてください、慣れれば全然問題ないです。最初は短い距離からはじめて、だんだん増やしていくのがいいと思います。
知り合い
留学生
まず、アメリカには1人できます。突然飛行機から降りたら、知り合いゼロの状態からの生活が始まります。
だいたいの場合、学校が始まる少し前から渡米するので、その間は日本人と知り合うきっかけがなかなかありません。車もないですし、知らない土地にひとりぼっちです。
なので、話す相手と言えば、ホストファミリーや買い物中に出会う人です。すべてが英語の世界になります。
駐在妻
同じ会社の人がいたり、奥様会なんかがあったりして、心強いです。
でも、便利な情報や、アメリカ生活のノウハウを日本語で教えてもらえるので、英語を話さなくても生活をスタートさせることができます。
そうなると、不自由に感じることが少なく
「英語がないと困るっ!ヤバイっ!」
と危機感がないため、なかなか英語の勉強にも身が入りません。
電話
留学生
私は今でも、英語での電話のやり取りは、緊張します。相手の顔が見えない分、表情がわからないし、聞こえづらいのです。
ルームシェアをしていた時、インターネットが使えないというトラブルが割と頻繁に起こりました。当時はスマホがまだなかったので、インターネットは日本とのやり取りや、宿題のリサーチなど、なくてはならないものでした。
そんな時は、ケーブル会社に電話するしか、解決方法はありませんでした。
英語もそこまでできないし、ケーブルの用語やインターネットの知識がなかったので、ドキドキしながら電話しました。
ネットが戻ったときには感動して何度も
"Thank you!!! Thank you!!!!"
と言ったのを覚えています。(他に知ってる気の利いたフレーズがなかった…笑)
駐在妻
あなたは、夫にまかせっきりにしていませんか?
やはり電話をかけるのは、慣れです。回数を重ねることによって、苦手意識が薄れていき、度胸がつきます。
通訳
留学生
そんなのいません。
病院に行っても、全部自分でお医者さんの言ってることを聞きます。もちろんチンプンカンプンです。何度も聞き返し、知らない用語はちゃんと調べます。
契約書なども難しいですが、頑張って読みます。
今まで大事な場面で、わからないことを、何度も経験してきましたが、そのせいで、困ったことは一度もありませんでした。
駐在妻
「もし大事なことを聞き逃したら大変だから!」
といって、通訳ばかりに頼っていると、英語は絶対に伸びません。
学校の先生とのやり取り、病院、各種手続き、全て通訳や翻訳に任せていませんか?
まとめ
「留学生のほうが、ちゃんと日本で勉強してきてるんだから、話せて当たり前じゃん!」
と思いました?
でも、留学生も駐在妻も英会話に関しては、最初はほぼ同じレベルからスタートします。「英語をたくさん勉強した人=英語ぺらぺら」にはならないからです。
留学生と駐在妻の最大の違いは、助けてくれる人がいるかいないかです。
助けがないからこそ、自分でどうにかしようと奮闘し、それが英語上達にも結び付いているのです。その時は大変でしたが、そういう経験があったからこそ、アメリカでの生活の知識もつき、大学の勉強以外の英語も身についたのだと思います。
あなたも、自分の習慣を少し見直してみませんか?